【OBSでFF14配信】音声を調節する「音声フィルタ」の使い方

2021年2月21日日曜日

Youtube 動画 配信

 FF14の動画生配信について、なるべくわかりやすくなるように説明するシリーズ記事。

おかげさまでメインとしている「メガネ系記事」よりも好評で(そりゃそうだろうと自分でも思いますが)、定期的に色々なお声を頂いております。

そんな中、「音声設定」に関する問い合わせを頂きました。

実のところ、私の記事の中で説明しているのは「まず配信できるようにする」というところだったので、音声に関してはあまり気にしていなかったし「聞こえていればいいだろう」くらいには思っていました。

しかし、音声に関する質問を受けてあまりはっきりとした回答が出来なかったこともあり、いろいろと調べてみたら、OBS単体でも音声をコントロールする機能があることを発見しました。

そこで今回は、音声に関する処理を行う「音声フィルタ」について書いてみようと思います。

※これまでの記事はこちら。(情報が古い場合もありますがその点はご了承ください)

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「音声フィルタ」とは

一言で言うと、「OBS上で音声のバランスを整える」ものです。

配信画像にもフィルタをかけてクロマキー処理を行ったり、モザイクをかけることが出来るのですが、音声フィルタはその音バージョンといったところでしょうか。

配信を見てくださってる方が都度音量調節をしなくて済むよう、マイクからの声を調整するのに使われています。

適用するには

OBSのメイン画面には「音声ミキサー」というサブウィンドウがあります。

画面の下側中央あたりですね。

こちらで「デスクトップ音声」(FF14などのゲーム音などの出力)とマイクからの音声をリアルタイムにモニタリングして、音量バランスを見たりするのですが、その右下にある歯車を右クリックすると、

このようにサブメニューが表示されるので、「フィルタ」を選択します。


フィルタを管理するためのウインドウが開きます。
左下の「+」をクリックすると、

こんな感じで、追加できるフィルタの一覧が出てきます。

この中の4つの項目、「コンプレッサー」「ノイズゲート」「ゲイン」「ノイズ抑制」について説明します。
(この4つで音声が安定するようです)

「コンプレッサー」

4つの中でこれが一番重要で、音量を一定にするためのフィルタです。
大きな声、小さな声の差がなくなって、叫び声を上げても音量が抑えられるので、必須と言われています。


【各項目について】

比率:どれくらい音量を小さくするかです。デフォルトの10.00:1は、大きい音が出たときに音量を1/10にするという意味です。

閾値:この設定値以上の音が出たら音が小さくなります。初期値は-18.00db。

アタックタイム:コンプレッサー処理がかかるまでの時間です。初期値は6ms(ミリ秒)。

リリースタイム:音が閾値から小さくなったときにコンプレッサーが切れるまでの時間です。デフォルトは60ms。

出力ゲイン:音量の全体的な底上げをします。デフォルトは0db。小さい音を大きくして、全体的な音量を調整することで、配信中に視聴者が音量調整する必要がなくなるというわけですね。

サイドチェーン/ダッキングソース:「なし」のまま。

(POINT)ひとまずフィルタを追加してデフォルト状態で音を確認しながら調整していくといいでしょう。特に閾値と比率は大きな声が出たときの調整なので、バランスがおかしいとコンプレッサー自体が動かなくなります。


ノイズゲート

設定した音量よりも小さい物をカットします。キーボードの打鍵音とかマウスクリック音などがカットされます。強くかけちゃうと音声自体がおかしくなるので注意しましょう。

【各項目の解説】

閉鎖閾値:一度入力された音が、この数値以下になったら録音を停止します。デフォルト値は-32.00dB。

開放閾値:音量がこの数値以上になったら録音開始。デフォルト値は-26.00dB。

動作開始時間:ノイズゲートが動作を開始するまでの時間。デフォルト値は25ms。

保持時間:ノイズゲート処理を保持する時間。デフォルト値は200ms。

解除時間:ノイズゲートが解除されるまでの時間。デフォルト値は150ms。

(POINT)まずはデフォルトで設定してみて、ノイズがカットされているか確認しましょう。デフォルトで大丈夫なことが多いですが、使っているキーボードによっては大きな音が出るかもしれません。

ゲイン

マイク音量を調整するための設定です。全体の音量を調整し底上げしてくれます。

初期値は0.00dB。ここの設定は人に寄るようですが、調べた限りでは5.00~6.50dBくらいにしているようです。

ノイズ抑制

マイクから入ってくるノイズを抑制します。ホワイトノイズと呼ばれる「サー」という音や環境ノイズなどをカットしてくれます。


まず「方式」を選択します。
Speex(よりCPU使用率が低い):抑制レベルを指定してノイズをカットします。デフォルト値は-30db。この値の設定はマイクの種類によるので、実際に使いながら調整する必要があります。
RNNoise(より高品質):より効果の高いノイズ抑制を行います。特に設定項目がなく、Speexよりもしっかりノイズを押さえてくれるので、よほどのことがない限り、こちらの設定にしておけばよさそうです。

フィルターをかける順番

色々と便利な機能である音声フィルターですが、かける順番も重要です。

「ノイズ抑制」でホワイトノイズなどをカットし、「ゲイン」で全体の音量を底上げをして、「ノイズゲート」でいらない音声をカットし、「コンプレッサー」で出過ぎた音を押さえる、というのが一番不快感が少ない音声バランスになります。
順番が異なる場合は、それぞれのフィルタを選択して、左下の「∧」「∨」で上下に移動させられるので、調整してください。

まずは使ってみて効果を確認しよう

色々と設定値をたくさん並べたので、「なんじゃこりゃー!」となっている方もいらっしゃるかも知れませんが、フィルタをかけてキーボードを叩いてみたりすると、その効果が分かるかも知れません。
ずっと大きな音が鳴りっぱなしになったりとか、逆に全く声が聞こえなくなるなどのケースが少なくなることが想定されますので、まずはお試しあれ!


…私も今日から音声フィルタかけます!!(←おい?)